2020年8月14日

ハリケーン イサイアス

先週、アメリカ東部をハリケンーンが襲った。ワシントンDC、フィラデルフィア、そしてニューヨークへと北上した。http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKCN2500JE.html

NYに住む知り合いのところでは停電した。この暑さのなかでだ。おかげで日没と共に就寝、日の出と共に起床の日々が始まったと言っていた。

僕がコロンビア大学に研究員として行っていた2012年には、超スーパー級のハリケーン・サンディがNYを襲った。
https://tatsukimura.blogspot.com/search?q=%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%B3

彼女によると、今回のハリケーンはそれほどでもないらしいが、このところ何年かに一度はハリケーンのためNYは停電になっているという。

間違いなくこれも異常気象のひとつ。だが、そうした異常がしだいに異常でなくなってきている。

鳥と間近に空を飛ぶ感覚

映画「グランド・ジャーニー」は、実話に基づいた話らしい。鳥が好きでしょうがない野鳥の研究者とその家族が、絶滅危惧種とされているカリガネを孵化させ、自然に戻そうとする。

クリスチャンと息子のトマが、北極圏に近い場所から越冬地までカリガネたちを率いて軽飛行機で「飛ぶ」。 実話ではスウェーデンからドイツの越冬地までだったのが、フランス映画だからか、この物語のなかではノルウェーからフランスまで鳥たちを誘導しながら飛ぶ話になっている。

童話の「ニルスのふしぎな旅」を連想させる。実際、鳥たちの中で一匹だけ種類の違うカモの名前は、その童話にも出てきたアッカという名前がつけられている。

とにかくよく調教された鳥たちとの飛行シーンが素晴らしい。調教されたというより、鳥たちが彼らを親と思って一緒に飛んでいるのだろうけど。野鳥と一緒に空を飛んでいる気分になれるだけでも、今のこの時期に見る価値はあった。


ところで本編とは関係ないが、映画の主人公のトマはフランスの中学生。グランド・ジャーニーは、その彼が過ごす5週間のバカンス中の出来事だ。5週間のバカンス!だぞ。

そして彼は、その5週間を母親が離婚した父親とその間一緒に過ごすために、母親とその今の恋人にネットもまともに入らないようなところに連れてこられた。

日本の単独親権の考え方のもとでは、子供のこうした過ごし方はまずあり得ない。

この国で少子化がいつまで経っても解決の方向に向かわない理由の1つだ。

2020年8月10日

PSJの論文を投稿

7月最終週で大学の授業がすべて終了し(そう、今期はすべてZoomを使ってのオンライン授業だった)、その翌日からは投稿論文を書いていた。

F・ライクヘルドらが提唱しているNPS(Net Promoter Score)の問題点を修正した日本版NPSともいえるPSJ(Promoter Score Japan)に関するものである。

これまで海外の学会で一部を紹介してきたテーマだが、年初からの武漢肺炎の影響でまったく海外出張に出られなくなってしまったので、今年はしかたなく国内学会へ参加することにした。

PSJ®は、日本の消費者を対象にした顧客推奨度を測定するための独自の新たな指標だ。

早稲田大学マーケティング戦略研究所と僕でその商標を持っている。論文は締め切りまであまり時間がなくていささか忙しかったが、今日で一段落といったところ。

このあとは、ペンディングにしてしまっている前期授業の成績評価を早く終わらせなければ。

2020年8月5日

学生らと打ち上げ

昨日はマーケティング授業の履修者有志で呑み会があり、誘われて参加。

呑み会といっても例によってZoom上のことだけど、今のところはこれもしょうがない。授業ではできなかった話をしたり、学生らと少しプライベートに関する話もできたのがよかった。こうした機会がないと、やはり人間同士の距離感が縮まっていかない感じがするからさ。

2時間ほど酒を飲みながら(学生たちはあまり飲んでなかったみたいだけど)多岐にわたるあれやこれやの話をし、最後に記念写真(↓)を撮って終了。なかなか、おもしろかったよ!

彼らが画面上で指で示しているのは、「K」のマーク、らしい。

2020年7月31日

前期授業が終了

今週で大学の前期の授業が終わった。Zoomを使ってのライブ授業や講義ビデオを事前に撮影し、それをオンデマンドで学生が見られるようにしたり、初めての経験が多かった。

4月の時はどうなるかと思ったが、意外と教師も学生も世の中の状況が分かっているだけに強い違和感はなく、やり方に前向きに慣れようと努力し、協調的な雰囲気がいつの間にかできていた。

パソコンの画面からだと発言や質問もやりづらかろうというのは、こちらの勝手な思い込みに終わった感じだ。チャットの書き込みで質問を投げてきたり、システム上の挙手反応で質問の意思を示したりするのは学生にはストレスがなくていいのかもしれない。

画面上に並ぶ学生たちには、お互いに妙な序列を感じていなかったようだ。教室という場と違って体の大きさや声の大きさ、身なりや持ち物といった付随する情報がない分、学生たちがフラットな雰囲気のなかで自由に発言できる空間だったのだろう。

2020年7月24日

人気のないキャンパスは寂しいね

入構制限のため、夜間になるといっそうひっそりと静まりかえる大学キャンパス。照明も最小限になっていて、気を付けないと水たまりに踏み込んでしまう・・・。いつまでこれが続くのか。早く大学に賑わいが戻ってくるといい。

11号館前から大隈講堂方面。時計台の左は大隈さん銅像のシルエット

2020年7月19日

副業だからといって、相手の足下を見すぎではないのか

自宅他でリモートワークで人が働くようになって、4ヵ月目に入った。

サラリーマンは月曜から金曜日、朝から夕方までオフィスで働くもの、というのが日本社会の基本だったのがあっという間にリモートワークに取って替わられつつある。まだ少数ではあるが、リモートで働くことを基本にするところも出てきた。

そうした流れを汲むように、ヤフーが副業で働く人材を募集し始めた。戦略人材として100名。他社の正社員でありながら副業でヤフーで能力を発揮してくれる人を求む、というわけである。

試みは大変面白いと評価できる。だが、新たな事業プランや企画を立案する「アドバイザー職」としてオンラインで月最大5時間程度働き、月5万円の給料は求めている能力の割には安すぎるんじゃないかね。

2020年7月11日

グーグル漬けから抜け出すために始めたこと

個人情報を流出させられたことを書いたが、それを機に個人情報の取扱いについて考えることにした。

対象はネット企業、とりわけグーグルに渡っている個人のさまざまな情報だ。

検索はgoogle、メールはGメール、地図はgoogleマップ、ファイルの共有はgoogleドライブ、写真の保存はgoogleフォト、予定の管理はgoogleカレンダー、動画の共有や閲覧はYouTube、ブラウザーはChrome・・・と自分が何者で、どこでいつ何をしているかがグーグルに丸裸になっている。

グーグルに蓄積される個人の情報は日々積み重なっていく。使い勝手が良く、しかも無料なので負担やストレスをあまり感じることなく、当たり前のものとして使っているが、これって自分を売り渡していることだと思うようになった。

しかも、どれも無料だからわれわれ利用者はグーグルがサービスの変更やその廃止を決めても不平を申し立てられない、考えてみればとても危ういサービスなのだ。

グーグル社が保持している我々の情報はgoogle takeoutというツールを使ってデータのアーカイブをダウンロードして確認するできるらしい(まだやったことはないが)。そして「マイ・アクティビティ(myactivity.google.com)」にアクセスして、個人で「広告」の履歴を削除することはできる。

しかし、ユーザーが削除したデータがグーグルのサーバーから消去されるか、それとも匿名化された状態でグーグル内に保持されるかは、グーグル社の方針によって決まるという。

つまり、いったんグーグルにわたった個人の情報は、現時点ではどうやっても彼らの手元に残り、加工され、売り渡されると考えた方が良さそうだ。

そこで僕は、武漢肺炎禍でパソコンの画面に向かう時間が増えた中、自分なりのチャレンジを始めた。以下のような変更だ。

★検索は、google → DuckDuckGo(全然問題ない)
★メールは、Gメール → Fastmail(快適)
https://ref.fm/u24279104
★地図は、googleマップ → Appleマップ(問題なし)
★フィル共有は、googleドライブ → dropbox、evernote、その他いろいろ
★写真のクラウド保存は、googleフォト → Amazonフォト(遜色なし)
★予定の管理は、googleカレンダー → Fastmailカレンダー(問題ない)
★動画の共有は、YouTube → Vimeo(これから)
★ブラウザーは、以前からFirefoxとSafari

一番悩んだのがメールだ。これまであまりにGメールに慣れすぎているし、データの蓄積も半端ではない。だが、最終的に選択したFastmailはとてもいい。使い勝手もいいし、信頼できる。有料だが、そこはサービスを受けるものとして当然と考えることにしている。
https://ref.fm/u24279104

そうそう、いまだ移行をどうしたらよいか決めかねているのが、グーグルが運営しているこのBloggerだ。1,000を越えるこれまでのブログ記事をそのまま写真ともども問題なく移行できる先をどうしようか。

2020年7月9日

個人情報の漏洩に合う

JICA(独立行政法人国際協力機構)の下請け先組織のひとつに、一般社団法人日本国際協力センターという団体がある。

JICAの国際プロジェクトを引き受けたときの相手側の実働部隊がそこで、謝金もそこから支払われた。

振込先の僕の銀行口座や住所、電話番号などが外部に情報漏洩したことが確認されたと連絡があった。該当の銀行に連絡し、不審な入出金(入金はないだろうが)やアクセスがないかを確認してもらったところだ。

併せて、そのセンターには、僕に関する情報はすべてデータベースから消すように依頼した。彼らがセキュリティの専門会社に調査させたところ、不正アクセスは海外のサーバーからだったと聞かされた。

まさか自分が情報漏洩の対象になるなど考えていなかったが、それこそが勝手な思い込みだった。

2020年7月8日

吉日と言われても

現在住んでいるところの掲示板に、NTT東日本の貼り紙があった。来週の月曜日に建物内の回線を調査するという案内である。それはいいのだが、その案内に「2020年7月吉日」とあるのを見つけた。結婚式の案内でもないのに、何かヘンだ。


2020年7月6日

様式美、とは言わないが

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言と休業要請。多くの分野がそのために大きな変化を求められた。

将棋の世界で何が起こったか。オンラインで将棋を行うことは技術的には何ら問題はない。既にずいぶん以前からアマチュアたちは、ネット上で対局を楽しんできた。

だが、この時期に及んでもオンラインでの公式戦は行われていない。その理由は、伝統文化の様式美が重視されているからと聞いた。

へ〜え、と唸った。これをどう考えるか。オンラインでも簡単にできるのだから、そうすればいいじゃないか、というのは一法。きちんと対戦両者が将棋盤をはさんで向き合うという「型」、すなわち様式美が公式戦の対戦をそうであると形作っているというのも一法。

今日、この4月からの新学期で初めて学生と直接会った。研究室で、大学院生に修士論文の指導を行った。時間をおいて2人。将棋の対戦と同じで、Zoomでも可能。だが、やはり直接会って話していると話題の拡がりが画面上とは違うことに気づく。

こちらは様式美というほどたいそうなものじゃないが、ネット上とは異なる実感を久しぶりに充分に感じられたのが収穫だった。

2020年7月5日

Black Lives Matter

今年5月、米国ミネソタ州で黒人が白人警官から暴力的に押さえ込まれて死亡したことから、Black Lives Matterという言葉がクローズアップされ、日本語で「黒人の命も大切だ」と訳された。

それに対してあるジャーナリストなどは、その日本語が黒人差別の事実を矮小化していると批判している。何を批判しているのだろう。「黒人の命が大切だ」と言いたいようだが、これまでの歴史と人種の問題を契機に起こってきた数々を考えれば「黒人の命も大切だ」と表現するのがもっとも適切に僕には思える。

そういえば、マイケル・ムーアが制作し、2018年に公開した映画『華氏119』にも黒人らがBlack Lives Matterと権利の主張を掲げて行進しているシーン(下の写真)があった。一瞬だけど。

『華氏119から』

2020年7月3日

あじさいの藤森神社

藤森(ふじのもり)神社のあじさい園へ。もう花の盛りは過ぎていて(6月後半が見頃だったと言われた)、咲き誇っているというより頑張って生き残っているという感じだったが、それでもまだピンク、白、紫などの大輪のあじさいが眩しい緑の中で数多く姿を見せていた。

2020年7月2日

千本ゑんま堂

打合せで久しぶりに京都へ来た。夕方から、北野天満宮の北にある千本ゑんま堂を訪ねた。寺の名前は引接寺。かつての結界に位置しており、閻魔大王を祀っている珍しい寺だ。

午後7時から風祭りという特別祈願会に参加した。梶の葉に願い事を書き、それを祈祷いただいたのち、お堂に貼られた紐に吊して願をかける。これは七夕の時に願いごとを書く短冊の原型である。吊された梶の葉は時間が経つにつれて願いごとを書いた葉の表が丸まり、自然と他には見られないようになる。


2020年6月29日

光をなくしたアップル

アップルのCDO(最高デザイン責任者)だったジョナサン・アイブが、昨年退社したことをふと思い出した。

昨日、新しいMacBook Airが届いたーー。これまで使っていたのは2013年版のMacBook Pro。自宅と研究室で同じ機種を使ってきた。だから、新しい機種はいくぶんキーボードのタッチなどに違和感を感じなくもない。しかし、そうしたことは次第に慣れるのだろう。

新しいだけあって起動が早いのがいい。

ただ、光るリンゴマークがないのに気がついた。それまで使ってきた機種は、電源を入れるとリンゴのマークがディスプレイの光を使って白く光った。

使っている時、そのリンゴマークの光は利用者には見えず、また当然ながら性能にはまったく関係ない。ただのデコレーションである。

しかし、それこそがアップルの証明だったのに、なんとも残念な気持ちだ。Airでは、2018年のモデルからトップのリングマークが光らなくなっていたらしい。


新しいMacBook Airを手にして、もうひとつ不満なのは充電のためのコネクターが変わったこと。それまでの充電コネクタは、MagSafeという名前が付けられていて、本体と磁石でくっつくことで充電をするものだった。

コネクタを本体に差し込むわけではないので、充電コードを足か何かに引っかけてしまった際にもすぐに外れ、本体には何も損傷を与えないように考えられていた。こうしたユーザー思いのところがアップルらしかったのだけど。

もうひとつ、細かいことだが、MagSageコネクタからUSB-Cタイプの充電コネクタに変わってから、そこにあったちっちゃなLEDのランプがなくなってしまった。充電時は橙で、充電完了時は緑で点灯していた。

どれもノートブックの性能そのものには関係しない。しかし、だからといって無駄というものではなかった。どれもが、すこぶる「アップルらしさ」を象徴する「デザイン」だったのだ。

 20年以上にわたってアップル製品のデザインとソフトウェア部門の責任者を務めていたアイブの目が行き届かなくなっていた、あるいは彼がその現場から退いていたということじゃないかな。

2020年6月21日

花の名は「ハナノナ」で

朝から横浜地方には大雨注意報が出ていたが、幸い雨は降らず、むしろ涼しくて散歩にはもってこいの天気だった。

裏の土手にいろんな野草が咲き乱れているのがしばらく前から気になっていて、それらの名前を知りたくて、ネットで「野草図鑑」を買おうと探しているうちに、花の名前をAIが教えてくれるアプリがあることを知った。

さっそくApp Storeで探してみると、従来の図鑑を電子本にしたものとスマホで撮影するとデータベースから検索して名前やその他の情報を示してくれるものがあった。

利便性から言えば後者で、なかでも千葉工業大学が開発した「ハナノナ」というアプリは優れものである。それに無料なのがありがたい。

使い方は実に簡単、アプリを起ち上げ、そのままスマホで植物の写真を撮るだけ。瞬時に、その写真に花の名前を表示してくれる。データベースをもとにしたこうした限的的なAIの使い方こそ、AIが一番役に立つ側面である。

散歩の楽しみが倍になった。






2020年6月13日

川に放り込め

英国の港町ブリストル(バンクシーの生まれた場所だ)で、奴隷商人の銅像が引き倒され、川に捨てられた。


この銅像のモデルはコルストンというイギリス人。17世紀に奴隷売買の商売で巨万の富を貯えた人物である。

20世紀が始まろうとする頃、誰かがこの人物の偉業を称えて彼の銅像を町の真ん中に建てたらしい。そして、100年以上も街の象徴の一つとして市民に仰ぎ見られていた。

世の中にあまたの職業があるが、そのなかで間違いなくサイテーなのが奴隷商人である。銅像撤去を求める市民の声は以前からあったらしいが、それでも「コルストン偉い!」とする連中がこれまで撤去を許さなかったのだ。 

こうした人物の銅像は皆で川へ投げ捨てるか、あるいはその悪行を誰もが忘れないようにそこに置いておいて、みんなが腐ったトマトを投げつける的にするのが正しい。

2020年6月10日

H型ジョブとO型ジョブ

新型コロナウイルスの感染防止を目的とした在宅勤務があっという間に普及した。

テレワークで仕事が進むと判断した企業の中には、オフィスを早々に解約し始めたところも出てきている。

COVID-19以前も在宅勤務が一部で認められていた企業はあったが、それは特殊な例だった。だが今回、企業などは否応なくオフィス出勤を禁じざるを得なくなり、社員が在宅でも仕事ができるように仕組みや環境を整えたら結構できてしまった、というのが実感だろう。

テレワークのメリットは大きい。通勤そのものが不要になるので、時間、コスト、疲労とストレス軽減の点で社員と企業の双方にプラス面が大きい。

これから職種を選びながらだが、やがて事務的な仕事のほとんどは自宅でネット環境の元で行うことが一般的になっていくだろう。

ただ考えなければならないのは、世の中になかったようなクリエイティブなものを創り出すような仕事は、やはりそれなりの連中が集まり対面で集中的にやらなければダメだということ。

自宅勤務だけで問題なくできる比較的ルーチン化された仕事を、僕はH(ホーム)型ジョブと名付けている。

それに対するのが、選ばれたメンバーが集合し新たな創造を目指して密な空気の中でやることが求められるO(オフィス)型ジョブである。もちろん実際の場所はオフィスに限らない。集まって集中的に仕事ができる場所という意味である。

今後のホワイトカラーの仕事を考えた場合、純粋なO型ジョブ、H型ジョブ、その中間的なH/O型ジョブという構成になるだろう。

2020年6月9日

「僕はラジオ」

米国ミネアポリスで起こった警官による黒人殺害によって発生した差別反対への怒りのうねりは収まりそうもない。

世界の各地で「Black lives matter」のプラカードが高く掲げられている。日本でも大阪でデモがあったと聞いている。

昨日、アマゾンのプライムビデオでたまたま「僕はラジオ(原題は Radio)」を見た。2003年に製作されたアメリカ映画だ。

知的な障害がある黒人の少年が主人公で、彼と高校のフットボール部のコーチ、そしてその家族や高校生たち、町の人たちとの交流と関係を描いた実話に基づいた映画だ。

あまり期待せずに見始めたが引き込まれてしまった。登場人物はステレオタイプ化されているが、誰もがどこにでもいそうな普通のアメリカ人に思える。フットボールコーチのエド・ハリスがいい。

黒人差別への凄まじい怒りが世界中で吹き出ている時だからこそ、この映画は他の人にも見て欲しい。

2020年6月7日

50日ぶりの電車乗車

昨日、友人から誘われてランチを食べにひさびさに出かけた。東横線と目黒線で片道30分ほど。

駅でSuicaの使用履歴を調べたら、電車に乗るのは50日前に使用して以来のことだった。

4月の利用履歴は、これ1回だけ。外出自粛から緊急事態宣言発令、そして解除。その間、何回か大学の研究室に機材や資料を取りにいってはいるが、車で行ったのを思い出した。

これほど移動しなかったのは、自分の一生でも初めてのことだと思う。そして移動しなくても日常生活が送れ、仕事もこなせ、むしろ空いた時間のゆとりを楽しめることを知った。 移動しなくてもよいというのは、実は楽だ。

かつて狩猟・採集で移動しながら生きていた人々が農耕・牧畜を行う技術を身につけ、土地を見つけた結果定住するようになった。一旦動かなくなった人たちは、狩猟生活には戻らない。

それと同様とまでは行かないだろうが、人々の移動性は以前に比べ低くなっていくに違いない。今回の新型コロナウイルス感染が引き金だが、インターネットが我々の日常を変えたことがもちろんその背景にある。