2024年9月14日

リーダーの資質

10日夜、米国のフィラデルフィアで大統領選のテレビ討論会が開催された。米ABCのキャスターの質問に答える形で90分間、カマラ・ハリスとドナルド・トランプが意見を戦わせた。


手元に用意することができるのは、何も書かれていないメモ用紙とボールペン、それとミネラルウォーターだけ。その場で投げかけられる質問に対して、何にも頼らずすべて自分で答える。誰かが書いた原稿を読むだけの日本の政治家とは大違いである。

アメリカの大統領にハリスがなるにせよトランプがなるにせよ、日本の総理大臣はその大統領と高度な交渉をこなさなければならない。だが、どう見てもその日本側のカウンターパートとして相応しい人物が総裁選候補には見当たらない。

アメリカ大統領だけではない、プーチンや習近平とも交渉にあたらなければならないのだが、自民党総裁候補のどの顔もそれら首脳と交渉の場でやり取りをしている姿がイメージできない。

今日、日本記者クラブでそれら候補者が会見に出席し、抱負のようなものを語っていたがどの候補者も具体性がなく、さっぱり理解できなかった。

経済について語った候補が何人もいて、それぞれ「経済成長」、「経済再生」、「所得倍増」といったキーワードを振りまいていたが、どう実現するのか何も語らずじまい。

しかも経済政策について語るのであれば、これまでの「アホノミクス(安倍)」や「新しい資本主義(岸田)」についてまずは総括、反省すべきだろう。

それらについての言及がいっさいなく、ただ経済成長を目指しますとかいっても、当然ながらまるで説得力を感じない。反省だけなら猿でもできる、というが、それすらできない候補ではいかにも心許ない日本のリーダー選出である。