性平等のための是正策として、これまでの職業名が言い換えられている。例えば看護婦は看護師に、保母さんは保育士に、スチュワーデスは客室乗務員に。
それはそれでいいのだが、その理由としてそれまでの呼び名が女性蔑視だとか性差別というのはどうも理解できない。どこまで気にするかは人によるけど、〇〇マンが女性蔑視だからだめで、〇〇パーソンと言い換えるべしというのは言葉遊びをしているように思える。
ある自治体のサイトから |
上の表では「サラリーマン・OL」を「会社員」と置き換えなさいと言っているが、会社員以外のサラリーマンはどうなるのか。会社員以外でサラリーを対価に働いている人たちも世にたくさんいる。
ビジネスマンはビジネスパーソンに呼び名を変えた。 ではサラリーマンは「サラリーパーソン」か。そもそも「マン」は「男」の意味だけではなく、総称的に「人(男女問わず)」を表す。
こうした世の中で女優を俳優と言い換えることが多くなっているが、なかには「女優」を堂々と名のるひとたちもいる。今朝の新聞に通販生活の折り込みチラシが挟まっていたが、そこに「女優 香山美子」さんの名前を見つけた。俳優ではなく女優とした意思があるに違いない。
週刊文春に「私の読書日記」を書いている橋本愛も「女優」を名のっている。彼女の意思だと思う。
性差を感じさせない呼び名に変更することが、自分がそれなりの意識系の人間だということを示す「お作法」になっていることを感じて、おそらくちゃんと考えたうえで「女優」を標榜しているのだろう。それはカッコいいと思う。