2020年6月2日

フェイスブックの本性はどこに

ジョージ・フロイドという名の黒人男性が、5月25日に米国ミネアポリス近郊の地で警官から暴行を受けて死亡した。暴行が死因であることは、医師が確認している。

すぐさま全米で「Black lives matter(黒人の命だって大切だ)」というプラカードを掲げた多くの米国人が各地でストに入った。その速さと勢いは凄まじいもので、1960年代の公民権運動を思い起こさせるほどだという。

そうした抗議活動が広がるなか、米国のトランプ大統領がよりによって「略奪が始まると銃撃も始まる」とフェイスブックに書き込んだ。これは、1960年代の人種間対立が深刻化したとき、警察幹部が口にした言い回しらしい。これが火に油を注いだ。

トランプによって同じ書き込みがされたツイッターは、その書き込みが暴力を賛美しているとして掲載時に注記を加えた。

一方でフェイスブックはトランプのメッセージを容認し、CEOのザッカーバーグはFOXテレビやフェイスブックを通じて「表現の自由を尊重する。書き込みをそのままにする」と表明した。

フェイスブック社では社員も含めて抗議が起こり、社員の一部が仕事を拒否する「バーチャルスト」に突入した。フェイスブック社にもそうしたまともな神経を持った社員がいたということだ。

といっても、あのザッカーバーグが率いるフェイスブックという企業ほど油断も隙もない悪辣企業はないことに変わりはない。