JR東日本の元社長だった松田昌士氏が亡くなった。84歳。彼は1993年から2000年まで7年間、同社の社長だった人物。
報道によると、同氏のお別れの会の連絡先はJR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)の総務部・法務戦略部となっている。
社長を辞めて20年が経っている。故人の業績を称えてということだろうが、違和感が強い。
日本人の就職は「所属」だ。それは就社と言い換えられる。一方、欧米では所属するのではなく「参加」であると言われる。組織とのより対等で柔軟な関係である。だから、組織のために命を捧げるなどまずあり得ない(あるとすると軍隊くらいだ)。
冷静に考えれば、そうした対等な関係が当たり前だとわかるはず。だとすると、20年前に社長だった人物のお別れの会を、その人物が元いた会社が執り行うのはどう考えても奇妙と云わざるを得ない。
そこにあるのは、組織と人に染みついた「会社社会・日本」の姿である。