2020年5月17日

放送大学はどこへいく

僕が教えている研究科は、4月20日からリモート授業を開始した。それから4週間が過ぎた。

最初はどうなるかと思ったところもあったが、何とかなってる。確かに相手が社会人大学院生だから、というのはある。

学部の1年生(18歳)の授業を担当している先生などは、いろいろ苦労が多いという話を聞く。授業の中身をどう伝えるかという以前に、学生によってはネット環境が整っていなくて遠隔のクラスになかなか参加できないとか。

教員もほとんどが自宅からだから、相手の状況を手に取るように分かるわけではなく、そうした授業以前の問題の解決に時間と労力を取られている。

セキュリティの問題が取り沙汰されたりはしたが、Zoomがほぼ一般的なツールとして利用されているようだ。懸念はメンバー以外が紛れ込むことことで情報が漏洩するリスクがあるというのだったが、もともと所詮は大学の授業だ。秘密などない。まあ、あるとすれば、学生の個人情報(誰々は勉強ができない、とか)くらい。

遠隔教育といえば、日本では放送大学がすぐ頭に浮かぶ。それが設立されたのは1981年だから、40年の歴史がある。

しかし不思議なことに、今回日本中の大学教育機関がキャンパスを閉じ、遠隔授業の実施を迫られたとき、僕が知る限りではどこからも放送大学を手本にしようといった考えはみじんもなかった。

40年の遠隔教育の歴史があるのであれば、本来はそこが日本の司令塔として様々なノウハウを各機関に提供するのが道理なのだが。放送大学には実質的なノウハウや教育の技術は何もないのを皆が見て取っているということか。