2025-07-02

「ルノワール」

映画「ルノワール」の主人公は11歳の少女。時は1980年代後半。主な登場人物はその少女フキ(変わった名前だ)とその母と父。

父親(リリー・フランキー)は闘病中で入院している。医師から余命宣告は受けていないが、入院先の出す薬を自分で調べて自分がガンだと知っていて、死ぬ覚悟はもう気持ちのなかでほぼできている。母親(石田ひかり)は仕事と家事、それにフキの世話に追われて神経が尖っている。

そうした家族環境の中での少女のある夏が、いくつかのエピソードをパズルのように組み合わせながら展開していく。

ぼくには11歳の少女の気持ちを想像することや、彼女の周りに起こるだろう日々の出来事を思い浮かべることはたやすいことではないけど、それにしても映画の中で起こる事件のような出来事はまるでスペインのファンタジー映画を観ているような印象だった。

そんななか、一つだけ日本的というか土着感を感じたのは、入院している父親が病院を抜け出して自宅のアパートに帰り、寝室の扉を開けると、そこに女物の喪服が衣紋掛けに駆けられていたシーン。

ゾッとするとともに、これってあるかな〜? えっ? なに? あるんだ。

早川千絵監督の「PLAN 75」はテーマがストレートで、いかにも(良くも悪くも)新人監督のメジャーデビュー作といったものだったが、「ルノワール」は難しい。
https://tatsukimura.blogspot.com/2022/08/blog-post_17.html 

11歳だという少女の気持ちの変化や波打つ感情を、もう推測できなくなっているからかもしれない。 

2025-07-01

Amazonから Appleへ切り換え

音楽のストリーミングサービスをAmazon Music Unlimited(AMU)からApple Musicに代えた。

AMUはアレクサでも使えてまあまあだった。だが、iPhoneとiPadでは最後まで使えなかった。

海外に住んでいたとき、現地のアマゾンのアカウントをつくり書籍やアプリを購入していた。そのため今もアマゾンのアカウントが2つあり、それらが影響し合ってiPhoneやiPadでAMUが使えなくなっているというのがアマゾン側の説明。

それが本当かどうかは、残念ながら自分では調べようもない。ぼくの問題解決のためにアマゾンではエンジニアのチームが日夜解決方法を探っている、という返答を受け取ってから1年以上経つが、その後の連絡はなし。

残る解決法は、アカウントの一つを削除することらしい。だが、そうすればそのアカウント名で購入したアプリや書籍など一切が使えなくなってしまう。

ならばと、AMUを止めてApple Musicに切り替えることにした。

つい先日、ジェフ・ベゾスはヴェネツィアで結婚式を挙げたらしい。オーバーツーリズムを理由に多くの地元住民が反対の声を上げるなか、72億円の費用を投じて6月27日から3日続く結婚祝賀行事を行ったとか。

ユーザーが手元のデバイスから音楽を聴けないで不自由しているなんて些末なこと、彼にはまったく関心はない。われわれにできることは、まずは顧客であることを止めることなのである。