2024年6月22日

問い:あなたは自分自身に満足していますか?

もし上記の問いが自分に投げかけられたとしたら、どう答えるだろうかーー。

日本の13〜29歳に対して、日本政府がその質問を投げかけた。こども家庭庁のサイトによれば、質問の対象者は約1,000人、調査はインターネットで実施されたとある。

13歳と29歳とでは16歳の違いだが、同じ16歳の差でも63歳〜79歳のレンジ(範囲)とは明らかに違う。調査では集団を2つに分けた方がよかった。また、13歳を相手にネットを利用して歪みがない正確なデータが取れたかどうかはあやしい。が、まあそれらはここでは置いておこう。

「あなたは自分自身に満足しているか」との問いに、肯定的(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」)に答えた日本の若者の割合が57.4%で、同時に調査した米国やドイツ、フランス、スウェーデンより低かったと『こども白書』で指摘されている。

こども家庭庁のサイトから


ただ、ちょっと待てよ。そもそもこの設問は適切なのか。自己肯定感や自尊感情といったものの測定を狙ったのだろうが、普段われわれ大人ですら「自分自身に満足しているかどうか」なんて考えることは稀だ。問われた中学生や高校生が、この問いをどう受け取ったかが気になるところである。

勉強でもスポーツでも音楽でも、それが何であれ、自分がもっと上達したいと思って目標を設定して頑張っている若者ほど、きっと今の自分に満足はしていないはず。だけど、これは彼らに自尊心が欠如していることとは別だ。

むしろ、「自分自身に満足している」とあっけらかんと答えることができる<自己満>な人に対して、僕はそれが大人であろうが子どもであろうが、違和感を感じてしまう。

データは『こども白書 2024年版』に記載されているのだが、その白書に目を通してみると「主観的ウェルビーング」などという訳の分からぬ定義不明の用語が使われていて困ったものである。