2020年9月2日

印税の小切手から日本の銀行について考える

外国から郵便物が届いた。開けてみると、ポンド建ての小切手が入っていた。
英国の出版社(Routledge)から出した本の印税の支払いである。金額は大したことがないが、突然やってきた臨時収入には少しうれしくなる。
問題はその小切手をどう国内で換金、現金化するかだ。とりあえず自分が口座を持つ都市銀行に電話してみた。三菱なんとか銀行と三井なんたら銀行だ。
だがどちらも外貨建ての小切手は、今は取り扱ってないらしい。本店に持っていったら何とかしてくれそうか一応尋ねてみたが、本店でも取り扱ってないという。

じゃあこうした小切手はどうやって現金化したらいいのが聞いてみたが、どちらの銀行も「他行の事はわかりません。ご自分でお調べください」とつれない。

間違ってても構わないから、あなたの銀行員としての知識で何か顧客にアドバイスできることはないのかと少しだけ食らいついたが「間違ったことをお伝えすると、お客様にご迷惑をおかけすることになりますから」と型通りの返答。それしかできないのであれば、人間よりAIの方がまし。
ところでネットで見たら、2018年あたりから日本の銀行は外貨小切手を受け付けなくなっている。マネー・ロンダリング防止が目的らしい。ということは、金融庁からの指示なのだろう。僕の場合、マネー・ロンダリングもへったくれもない小遣い程度の金額なのに、なんだか不条理だ。
どうしたらいいか途方に暮れる。小切手を見ると、金額の上のところに発行元としてBNP Paribas London と書いてあるので、試しにBNPパリバ銀行の東京支店に電話してみた。
だがその東京支社は法人相手のビジネスをやってるだけで、個人客との取引は何もしておらずどうしていいかわからないらしい。ここでも何かアドバイスはないのかと尋ねてみたのだが、そうしたら「発行元の当行ロンドン支店に連絡してみてはいかがでしょう」と言われた。
一瞬言葉につまったが、ひょっとしてそれもありかな〜と思って、じゃあ貴行のロンドン支店の連絡先を教えて欲しいと尋ねたら、わからないからご自分で調べてくださいと言われた。あちゃー。
銀行ってのは、まったくどいつもこいつもって感じだナ。今度外国に行った時に換金するしかないのかなと思いつつ、BNPパリバの人が「通常、小切手の有効期間は6ヵ月です」と言っていたの思い出してちょっと暗い気分になった。