2011年12月22日

Money Ball

終了間近の「マネーボール」を観に行った。映画「マネーボール」は、マイケル・ルイスが2003年に発表した「マネーボール」を原作にしている。ルイスはもとソロモン・ブラザーズの債権トレーダー出身の作家で、「ライアーズ・ポーカー」や「ニュー・ニュー・シング」などでも知られている。

原作はビジネス書としての評価も高く、多くのビジネスマンなどにも読まれているらしい。予算の乏しい弱小チームが試合に勝つために、統計データの独自な分析とそこから導いた理論をもとにチームを立て直したやり方が企業の経営にも役立てたいということだろう。なるほど、独自のKPIに基づいた「マネーボール理論」は斬新で有効だった。少なくとも映画の中で描かれているところでは。だけど、実際はレッドソックスなど大手がすぐに同様の発想を取り入れて優勝をさらった。アスレチックが採用したゲリラ戦略はすぐさま模倣され、長続きはしなかった。

主役のブラッド・ピッドははまり役である。「テルマ&ルイーズ」から20年、いい役者になった。アスレチックスの監督をまだ40代前半のフィリップ・シーモア・ホフマンが演じていたのが意外だったけど、本作の監督が「カポーティ」のベネット・ミラーと知って納得。