2010年9月28日

「おひとりさま」と「独居老人」

朝刊を読んでいて、雑誌広告のなかに見つけた「おひとりさま」という言葉。東大上野センセイの本『おひとりさまの老後』から拡がった言葉だが、ネット書店で検索してみると「おひとりさま」をタイトルに据えた本は彼女以外にもいろいろあるようす。

ところで「おひとりさま」って誰のこと? 「独居老人」あるいは「一人暮らし」と何が違うのだ。同じなら、なぜわざわざ言い換える必要があるだろう。「少女売春」が「援助交際」と言い換えらえた時のように、実態は変化しないにもかかわらず言葉の違い一つで我々が受け取るイメージは一転する。本質を隠蔽しかねないこうしたレトリックには注意が必要だ。本田由紀らが『「ニート」って言うな!』でニートという言葉の不適切さを指摘していたが、「おひとりさま」にも同様のものを感じる。

そういえば、経営学の分野にも実態はほとんど変わらないのに、まるで新しいコンセプトであるかのような新しい用語やフレーズがしばしば登場してくる。たいていはコンサル会社が「創造」したものだが、こちらも注意が必要だ。