いま日本中がコロナウイルス感染対応と、その数々のリアクションで大騒ぎだ。
この1〜2週間が山場だとか、この週末を乗り越えられればとか、この4月以降は収束に向かう模様だとか、メディアでは専門家らしい人たちがそれぞれの見解を述べているが、どれも信用できない。だって、エビデンスが何も示されないんだから。
C.D.C.(Center for Disease Control and Prevention アメリカ疾病管理予防センター)のディレクターは「この病気はインフルエンザに似ているが、問題は我々がそれが何なのか理解していないことだ」と述べ、ワクチンがまだ見つからず、今の状況はこの季節を越えて続くだろう、あるいは年を越えても続くだろうと語っている。https://www.youtube.com/watch?v=kX5bFqgD3Cs
ええっ!て感じである。日本の専門家が語ってることと見方がまったく異なっている。
日本の感染病の元締めは国立感染症研究所(感染研)であり、厚労省や官邸の政策にそこが多大な影響を与えているようだが、これまで(例えば季節性インフルエンザ)のワクチン製造の音頭取りの不適切さ、つまり国民の命や健康を第一義に据えるのではなく、自分たちの利権を常に最優先してきたやり方からは、今回もまたか、と言わざるを得ない。
客船のダイヤモンド・プリンセスで発生した700人を超える感染者を招いたのは、まさに感染研の不作為による。
いま僕は、コロナウイルス関連の情報について日本のメディアはまったく信用しないことにしている。代わりにCNNやBBCといった海外メディアでの報道を仔細にチェックする。科学的な根拠をもとにしたコメントが聞けるから。そして何と言っても一番頼りになるのは、米国のCDCの責任者から伝えられる情報だ。
日本は未だに自分たちが何をどうしたらよいか分からないまま、目先の対応だけを気分でやっているように見える。日本人が得意な「そのうちなんとかなるだろう」である。
だが残念ながら、コロナウイルスはそうした日本人の気分を忖度してくれはしない。政府の施策は「私たちはやってますよ」という言い訳と証拠づくりだけが目的で、ただ時間と税金の無駄遣いに終わる。僕は、今回の闘いは長く続くとみている。
日本の感染症対策の第一人者だというふれこみの賀来満夫(東北医科薬科大特任教授)なる人物が、毎日新聞社のインタビュー(以下のリンク)に答えている。本日付の記事の見出しは「新型コロナ「4~5月がピーク」 感染症対策の第一人者、東北医薬大・賀来特任教授」である。
https://mainichi.jp/articles/20200306/k00/00m/040/020000c?cx_testId=96&cx_testVariant=cx_5&cx_artPos=2&cx_type=collabctx&cx_recsMode=collabctx&cx_testId=96&cx_placement=1000&cx_campaign=5#cxrecs_s
賀来はインタビューの中で、新型コロナについて何の科学的根拠も示さず「1~2週間が山場」だと言ってのけた。
また、こうも語っている。
SARSは2002年11月に確認され、ピークは03年3~4月で同7月に終息宣言が出た。その例を考えると、今回は19年12月に始まったことから、20年4~5月がピークで、8月まで続くと推測する。
おいおい、ちょっと待ってくれ。現時点で実体がまだ分かっていない新型コロナウイルスについて、なぜSARSを引き合いに出して単純に今後の感染予測が成り立つのか?
日本の「第一人者」とやらがこうだから、他は推して知るべしだろう。とっても不安、そして腹が立つ。頭に浮かぶのは、こうした不見識な「専門家」に振り回されるかもしれない不幸な日本人のこれからである。