書き損じのはがきを持って郵便局へ立ち寄った。そこで鞄の中から取り出したのは、返信しなかった往復はがきの片割れが数枚ほどと机の引き出しに残っていた国際郵便はがきである。
机を整理していて、古い手帳やらメモ帳の下から出てきたエアメール専用のはがきには、70円の切手が印刷されている。いつ頃それらを購入したか覚えていない。10年以上前なのは確か、いや20年前くらいかもしれない。
国内で使う普通のはがきの料金が63円だから、どうせこのままでは使えないだろうと思って窓口に出したところ、「いまもこのまま使えますよ」と言われた。
はがき代はここ数年少しずつ上がってきたが、この国際郵便はがきは今も変わらず、立派にエアメールで送れると言われた。
Eメールでメッセージが送れる時代にエアメールといえども葉書でメッセージを送る人がどれだけいま日本にいるのか、思わず考えてしまった。たぶんほとんどいないとはいえ、こうした手段がまだ残っていることには、なんだか感謝の気持ちがわいてくる。
手書きのエアメールなんて書いたことない人がもうほとんどなんだろうけど、われわれの世代にとっては今も懐かしく、ちょっぴりお洒落な響きと感傷をかき立てるアイテムである。