学生時代のサークルの先輩、I氏が亡くなったという知らせがあった。彼とは学生時代の夏に、合宿で北海道の山々を3週間あまり一緒に歩いた事がある。生真面目な尊敬すべき人物だった。
早すぎる死には驚かずにはいられなかった。事故なのか、病気だったのか。逝去を知らせる同期からの一斉メールには何もそのあたりは書かれていなかった。
「寂しいなァ」「たまらないなァ」の一言もなく、葬儀に花輪を出すとか出さないとか、花輪は奇数じゃダメだとか、その代金をどう分担し、いつ回収するとか、葬儀業者のような話ばかりがメールで交わされるのを見て、その後のメールを読まなくなった。
彼の若かった頃の顔を思い浮かべながら、静かに手を合わせ冥福を祈った。