那須にフィンランドの森という場所がある。そこにはレストランやパン屋、チーズ屋、腸詰め屋、それに薪ストーブの実演販売をしている店などがある。
写真はそこのレストランで出てきたカプチーノ。使っているillyのコーヒーも美味しいけど、こうしたちょっとした工夫がもっと美味しい。
2010年7月25日
フィンランドの森
2010年7月16日
MANGA
ヘルシンキ市内にあるStockmannという名の百貨店のなかに、Akateeminen Kirjakauppa(アカデミア書店)という名の大型書店が入っている。ゆったりとした雰囲気のいい感じの本屋だ。
その一部に「MANGA」とコーナー表示された棚があり、ドラゴンボールやNANAがずらりと揃えられていた。なかを見てみると、吹き出しは英語の表記に書き換えられていた。MANGAの棚の隣にはCOMICSがある。日本の漫画以外のマンガである。
MANGAとCOMICSは何が違うか。マンガは日本製コミックの別称なのだろうが、造本も違うのに気がついた。MANGAは日本式に右綴じで、COMICSは洋書がそうであるように左綴じだ。
2010年7月15日
Into the woods
森と湖の国と形容されるフィンランドの一端を見たくて、ヘルシンキから鉄道とバスを乗り継いでNuuksio National Parkへ行ってみた。
森を3時間ほど散策する。印象は、一言で言うと八ヶ岳みたいだった。ただ、日本の山と違うのは、鳥がいない。ほんの一部で鳥の鳴き声を聞きながら歩いただけだ。妙に静かだ。鳥のさえずりを聞きながら歩く日本の山の方が僕は好きだ。
フィンランドの気温は20〜25度と聞いていたが、今回の滞在中ずっと30度近くの暑さに悩まされた。結構湿度も高い。例年以上に熱波が影響しているらしい。それも来週早々から収まり、最高気温25度程度になるらしいが、その頃には帰国しているのが残念。
2010年7月14日
ヘルシンキのかもめ食堂
少し早い夕食を取るため、Kahvila Suomiという名のレストランを訪ねた。小林聡美らが出演した映画「かもめ食堂」の舞台になった場所だ。
街の中心部から少し離れた静かな地域にある。店の表にはいまも映画で使った「かもめ食堂」の文字が残されている。
ガイドブックにもこの食堂のことは載っていて、日本人観光客がよく訪ねてくるらしい。僕が行ったときも、他に観光客らしい日本人の若いカップルがひと組、ビールを飲んでいた。
その店では星君という25歳の大阪出身の若者が働いていた。もともと日本で日本料理の調理人をしていたが、日本以外から日本食を考えてみたいと思いたち、その彼の心の糸に引っかかったのがフィンランドだったらしい。ヘルシンキの学校でフィンランド語を集中コースで勉強、その後市内の高級ホテルで日本食担当の調理人を務めた後、何もツテがないままカモメ食堂を直接たずねて働かせてくれるように頼んだらしい。映画を観て訪ねてくる日本人客が多かったオーナー夫婦にとっても願ってもないことだったらしく、めでたく採用。厨房だけでなく、レジやフロアなどの仕事もしている。
飛び込みで仕事を求めるのが、どこでも彼らのやり方だと聞かされた。料理人としての腕前だけで勝負できる世界だからだろう。「包丁一本さらしに巻いて」の世界が、まさに世界を舞台にあることを知った。
外国で彼のような日本人に出会うと嬉しい。フィンランド人と日本人はその性格や労働感が似ているところが多いと感じたけど、それでも言葉はもちろんのこと、多くの面で違いがあることは間違いない。
だから、日々、苦労は多いはずだ。その中で、そうした両国の違いを感じつつ、それらをある面で楽しみながら、その先の自分の夢を目指して頑張っている。飲食店の営業に関する規制が最近強まって、クリアしなくちゃならない問題が増えたと嘆いていたけど、彼が早く自分の店を持てることを祈っている。
監獄ホテル
今、ヘルシンキのカタヤノッカという地域に泊まっている。宿泊先は、かつて監獄だった建物を使ったホテル。だから壁が通常の建物に比べて圧倒的に厚く、隣の部屋や外の音が一切入ってこない。プライバシーの保護は抜群。だけど、そのために客室内では無線LANを使うことができないのだ。ハハハ。
ホテルで働くスタッフのユニフォームも囚人服風なのが楽しい。胸には囚人番号を模してホテルの電話番号がプリントされている。この囚人服風のシャツだけでなく、手錠、足かせと鉄玉、囚人帽などがホテルグッズとして売られていた。
2010年7月13日
2010年7月11日
ラジカセが吠えてた頃
ヘルシンキの現代美術館に展示してある一作品。昔使ってたラジカセとそっくりだったので、思わず目を奪われた。で、よく見ると、スピーカーのところから音が刺さるように突き出ている。僕がラジカセで音楽を聴いてたのは中学時代のことだからもう40年も昔のこと。その頃のラジカセの音は、確かにこんな感じだった。
I stole this from ......
ヘルシンキにあるキアズマ(KIASMA)現代美術館を訪ねた。ここには、ヘルシンキ・ナショナル・ギャラリーの中の現代美術作品が展示されている。美術館は小振りだが、展示の仕方にフィンランドの現代美術作家に向けた暖かいまなざしを感じる。
写真は、そこのミュージアム・カフェのテラスで飲んだコーヒーのマグ。洒落が効いてておもしろいなあと思ったが、その後に覗いたミュージアム・ショップでは同じマグが6ユーロで売られていた。お土産にひとつ購入。自宅で、I STOLE THIS FROM KIASMAの文句を目にしながらコーヒーを飲むのも悪くないかなと。
2010年7月10日
インクは匂うか
電子ブックを発売をしているメーカーや出版関係者のインタビュー等がそこでは紹介されていた。その特集の終わりに男性のキャスターが、電子ブックもいいけど、自分はインクの臭いのする新刊書やかび臭い古本も味わいがあって好きだとコメントしていた。
言いたいことはよく分かる。しかし、その表現はあまりに紋切り型。新刊の本って、本当にインクの匂いがするのかな 。実際に何冊か試してみたが特に匂いなど僕は感じないし、新刊本は日常的に手にするが、これまでインクの匂いを感じたことはない。
確かに昔はそうだったような気もする。でも何十年も前のことだ。インクもその頃からすると、ずいぶん技術改良されたのに違いない。改良されてないのは、人の頭の方なんだろう。
2010年6月24日
グーグルの考える主要言語
ポルトガル語やオランダ語、ポーランド語は対応可能な言葉として含まれている一方で、その中に日本語はない。これらはグーグルのアルゴリズムから選ばれた主要利用言語ということなのか、あるいは単に担当者がいるかいないかといったことが理由なのか。
どちらの理由にせよ、日本人としては考えさせられる現実だ。
2010年5月24日
水を転がして運ぶ
シンシア・スミスの書いた、Design for the Other 90% が昨年『世界を変えるデザイン』の邦題で日本でも出版された。原題も邦題もなかなかいい。
アフリカ地域などを中心とする世界90%の人々---彼らは人の生活に欠かせないきれいな水や食糧(作物)などにも事欠いた暮らしを続けている---のために考案された低価格なオープンソースのデザイン例を集めた本だ。
貧困層の暮らしを少しでも改善したい、使って喜ぶ人たちの顔が見たい、そうした気持ちのデザイナーたちのアイデアが多くの写真とともに紹介されている。この本の元は、2007年にアメリカのスミソニアン/クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館において開催された「残り90%のためのデザイン」展である。
下の写真はその中で紹介されている水を転がして運ぶためのもの。Qドラムという名前が付けられたポリエチレン製の容器で、75リットルの容量がある。デザインそのものもいいが、なぜこうしたデザインが必要とされるかという元の問いについてデザイナーが考えることがすばらしい。
開発途上地域の多くの場所ではきれいな水が限られている上、それを女性や子供が毎日遠くの水場から住んでいるところまで運ぶ。大変な労働である。 しかも頭の上にのせて運ぶため、首や背骨に負担をかけ、障害のもとにもなっている。それを防ぐ方法はないかと考えたデザイナーによって考案された。
ドーナツ状した形の穴の部分にロープを通し、引っ張ることで水のタンクを転がして運べるわけだ。これなら子供たちが楽しんで水運びができるかもしれない。デザイン的にもすばらしい。
ただ、使っているシーンをイメージするうちにいくつか疑問も出てきた。たとえば、平らな土地なら大丈夫だけど、上り坂はかなり辛いのではないか。つねに引っ張ってないとドラムは坂道を転げ落ちてしまう。また、でこぼこ路も具合が悪そうだ。場合によってはドラムが転倒するかもしれない。こどもが75キロのタンク(水が一杯の場合)を起こすのは大変だ。
そうだ、リヤカーを使ったらどうだ。リヤカーは水だけでなく、汎用的な運搬器具として活用できそうだ。でこぼこ路にも強いし、上り坂は休憩しながら運ぶこともできる。それに、リヤカーなら人だって何だって運べる。
リヤカーというのは和製英語である。日本に昔からあった大八車の利点を活かして、誰かが考案したらしい。人力車の影響もあるかもしれない。
そういえば学生時代のこと、リヤカーで引っ越しした奴がいた。運送屋に引っ越しを頼む金も、軽トラを借りる金も無かったからだ。リヤカーは運送屋にたいていは置いてあって、1日500円程度で借りられたのを覚えている。そもそも、貧乏学生(私の周りはなぜかみんなそうだった)は大した荷物がない。なかには山手線を使って引っ越しした奴もいた・・・。
リヤカーの構造は簡単で、自転車修理ができれば修理も問題ないらしい。また、今は折りたたみができるタイプもあり、リヤカー自体をコンパクトに運ぶことができる。誰でも使えて、何でも運べて、丈夫で長持ち。リヤカーをアフリカに送ったらどうだろう。
2010年5月2日
2010年5月1日
2010年4月26日
野毛の大道芸
大道芸だから、見せ物料はただ。お代は出し物を見終わったあと、客が自分が金額を決めて回ってくる帽子などに入れる。僕もそうだが、こうした支払い方に日本人は苦手だ。幾ら入れてやるか、瞬時の判断に悩む。これはレストランやホテルなど、サービスを受けた際にチップを支払う習慣がないことが影響している。
いつも一瞬迷ったあと、たいていはその時ジーンズのコインポケットに入っているだけの小銭を出してやるか、あるいは千円札一枚といったところだ。
大道芸人ではないが、面白い帽子をかぶり、イヤリング代わりに金魚鉢をぶら下げているファンキーなおじさんに出会った。話しかけてみると気さくなおじさんで、一緒に写真をお願いした。
2010年4月23日
1Q84 Book3
Book3から読み始める読者は少ないだろうから、この時点で1と2をすでに読んで3を待ってた読者が多数いたということだろう。読者構成がすごく気になる。
2010年4月15日
ひさびさに武道館へ
演奏曲は、ほとんどが60年代から70年代の曲。懐かしい。こうしたコンサートが好ましいのは、全体的に音楽をじっくり楽しみたい客が多いこと。だから、すぐに立ち上がったりする迷惑な客が少ない。先月行ったジャクソン・ブラウン&シェリル・クロウのコンサートも似た印象だった。こちらはこの3月末で長年のホール営業を閉じた新宿の東京厚生年金会館だった。そのあとには、大手家電量販店が出店することが決まっている。文化イベントの拠点がまたひとつ無くなった。
2010年4月14日
新ゼミ生歓迎会
これまで新入生たちは、4月入学生は9月に、また9月入学生は翌年の4月にゼミに配属になっていた。2年間しかない修士課程なのに時間がもったいない。なので、この4月入学生たちからは、ゼミへの配属が早くなった。
2010年4月12日
2010年4月11日
日本経済新聞「経済教室」4月9日
インターナルマーケティングの顧客は社員であり、対象とする商品は仕事だ。このアプローチの目的は、社員に仕事を喜んで買ってもらい、買い続けてもらう点にある。結果、社内の至る所に共鳴関係ができあがり、付加価値に優れた製品やサービスが市場に提供され、最終顧客の満足を獲得することができる。
マーケティングを専門部署にのみ委ねることで、市場対応が適切になされていない企業が多い。技術はあるのに企業がビジネスで負ける理由の一つだ。
記事が掲載された日、懐かしい友人や知り合いからたくさんの連絡が寄せられた。あらためて全国版の新聞の影響力を実感。