2016年10月2日

ビールで地域をつなぐ

今朝の「木村達也 ビジネスの森」の番組ゲストは、『つなぐビール』(ポプラ社)の著者で、ベアレン醸造所専務取締役の嶌田洋一さん。 岩手県盛岡市にある地ビール(クラフトビール)の会社を友人の方と13年前に立ち上げた。


「ベアレン」は、ドイツ語で熊の意味の複数形。岩手県には熊がたくさんいるし、力持ちのイメージもあってブランド名をベアレンにしたという。

ベアレンのビールは、日本外国特派員協会が「世界に伝えたい日本のクラフトビールベスト8」の選考でそのグランプリに選ばれたという優れもの。僕も盛岡から取り寄せて、3種類のベアレンビールを前日に味わったのだが、本当に良くできたおいしいビールだった。

日本で地ビールが生まれたのは、1994年の規制緩和がきっかけである。それまで日本製のビールは大手4社が圧倒的だったのが、90年代後半はまさに地ビールブームといってもよい時代だった。その頃、数多くの地ビールが生まれ、その後なくなってしまった地ビールも多いらしい。

そうした、いわばブームが去ったころに、嶌田さんは現在の社長である木村さんと一緒にビール会社を立ち上げた。

事業を立ち上げる前の時期、全国の地ビール会社を見学で数多くまわったという。そこで、彼らはビール工場を一歩出ると、その地ビールがどこにもないようなことが気になった。工場の向かいの酒屋さんにも置いていなかったりして。店の人に聞くと「あれは、工場に来た人たちしか飲まないから」と。地域とのつながりが大切なことを感じたという。

その時代、地域の特産品的な「変わった」「尖った」地ビールが多かった中で、彼らはとにかくおいしいビールを造りたいと考えた。

ビールは鮮度が大切。その意味では、生産地と消費地が近いのが理想的。おいしいビールを楽しめる。そのためにも地域コミュニティとの結びつきが必須と嶌田さんたちは感じた。

 「ビールは本当に面白い」と嶌田さん。麦芽とホップと酵母と水の組み合わせだけで、無限の液体を生むことが出きるからと。ますますおいしいビールを造ってほしいと思う。


今朝の一曲は、ジャニス・ジョプリンで Move Over。



*番組の放送曜日と時間が変更になりました。10月からは毎週の日曜日朝9:20からになりました!