2016年4月22日

プリンスが亡くなった

プリンスが亡くなったことは、ジョン・カビラがナビゲータを務める今朝のラジオ番組で知った。朝6時から11時半までの番組の内容が急遽変更され、全編プリンスへのトリビュート番組となっていた。

プリンスは非常に個性的、というかキワモノぽかったが、その音楽性は極めて高かった。グラミー賞も7回受賞していた。

先週のFM NACK5「木村達也 ビジネスの森」の中でかけたシネイド・オコナーのNothing Compares 2 U は、もともとはプリンスが1985年に発表したアルバムの中の一曲だ。

死因は、一部ではドラッグの過剰摂取などと言われているようだが、まだはっきりしない。それにしても、という感じだ。

僕と同じ歳だった。

2016年4月20日

地震にいいタイミングも悪いタイミングもあるか

今も九州で断続的に地震が続いている。現地の方はさぞ不安な日々を送っているに違いない。

そんな折、毎日新聞の下記の記事を読んだ。
 おおさか維新の会の片山虎之助共同代表は19日、国会内での党の会合で、熊本地震に関して「大変、タイミングのいい地震だ」と発言し、直後に撤回した。 片山氏は「ダブル(衆参同日選)になるのかならないのか、消費税を上げるのか上げないのか、政局の動向に影響を与えることは確かだ」と語った。

 片山氏はコメントを発表。「政局的な節目に重なったという趣旨で発言した。言葉の使い方が不適切だった」と陳謝したが、被災者の感情を逆なでする発言として反発が出る可能性がある。
http://mainichi.jp/articles/20160420/k00/00m/040/069000c

熊本でどのようなことが起こっているかという想像力もなく、ただ「政局」にしか興味のない「政治屋」のうすら寒い精神構造が浮き出ている。腹が立つ。

2016年4月17日

メンタルコーチという仕事

昨日のFM NACK5「木村達也 ビジネスの森」は、ゲストに『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』(講談社)を書かれた、前ラグビー日本代表メンタルコーチの荒木香織さんをお招きした。



彼女は3年間、4シーズンにわたってラグビー日本代表チームにかかわってきた。その役割を一言でいうならば、メンタル(精神)面から選手を強くし、勝てるチームにすること。当時のヘッド・コーチだったエディ・ジョーンズさんから直々に乞われてコーチに就任した。

いまでも忘れられないのが、昨年の9月20日の南アフリカ戦。世界最強ともいわれる南アフリカチームを破り、世界中に「ラグビー史上最大の番狂わせ」を見せつけた一戦である。

それまで日本ラグビー代表は1991年のジンバブエ戦で勝っただけで、それ以外で勝った経験が全くなかった。日本代表選手に選抜されれば、さぞ選手たちにとっては誇らしいことなのだろうと考えるのは素人考えで、実際は選手たちは「どうせ勝てないこんなチームになぜ選ばれちゃったのか」との迷いを多くの選手が持っていた。やっても負けてばかりなんだから、当たり前かもしれない。

チームのマインドセットを変えてくれ、とジョーンズ・ヘッドコーチから呼ばれた荒木さん。一人ひとりの個性などを見極めながら、適確に一人ひとりを、そしてチーム全体を変えていった。

今日、うかがった話の中で印象的だったのは、「平常心では勝てない」ということ。ある程度の興奮状態の方が判断能力に優れ、身体の切れもいいという。それをどうコントロールするか。

五郎丸選手のルーティン、正しくはプレ・パフォーマンス・ルーティンと呼ぶあのお祈りに似た仕草も、単なる験担ぎなどでなく、合理的な目的達成のために構築された所作なのだと知らされた。

番組内でかけた曲は、シネイド・オコナーの Nothing compares 2 U。


2016年4月16日

市場規模とは

今朝の日経新聞に「『タラレバ娘』独身の女心」という記事が掲載されていた。そこでの主旨は、婚活とやらを断念する、あるいは積極的に諦める女性が増えているというもの。
 
霞ヶ関の官庁で働く32歳の女性や都内の会社員、35歳の遠藤さん(仮名)が紹介されていて、そこから一人で生きていく決心をしている女性が増えていると記事は紹介する。

その手の話がどこまで本当なのかは知らないが、ひとつ気になったのは「『街コン』サイトの運営サイトを手がけるリンクバルによると婚活市場は年3,000億円」という記述だ。婚活市場とは何なのか定義もなければ説明もない。リンクバルという会社がどうやって推定したのかも分からない。記事を書いた新聞記者は、こうした数字に疑問を抱かないのだろうか。

3,000億円の市場規模というと、例えば一昨年の国内の音楽産業の市場規模に匹敵する(オーディオ売上1,864億円、音楽ソフト677億円、有料音楽配信437億円、合計2,979億円)。本当にこれと同規模の市場があるのなら、簡単でもいいから内訳を示すべき。

記事を書いた日経新聞の記者は、一応その数字の出典元を示している。読者から何か言われたときは、3,000億円はそのリンクバル社によるデータであって、自分には詳細は分からないとする言い訳のためだろう。

まったく信頼性に欠けている。新聞記事は面白そうであればそれでいいというものではなかろう。

2016年4月9日

誰かのために仕事をするということ

先週に引き続き、「木村達也 ビジネスの森」(FM NACK5)にNPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンの水野達男さんに来てもらった。


水野さんのかつての仕事、それは化学会社の社員として自社が開発した防虫蚊帳をアフリカの国々で売ること。事業部長として、生産計画を立て、原価のコントロールを行い、販路を拡大し、どう売上を伸ばすかをいつも考えていた。

積み上がった在庫の山と格闘しながらも、日々どう売って行こうかと思い悩む日が続いていたという。そんなとき、53歳の時のこと、突然腰が抜けてまったく動くことも何をすることもできなくなった。医者から言われ、40日間の休暇を取ることになって考えた。このままでいいのだろうかと。

アフリカでは今も毎年2億人がマラリアに感染し、50万人が亡くなっている。原因となるのは、ハマダラ蚊という蚊である。日中は動かない。夜になってからだけ活動を開始する蚊だ。だから、蚊帳がとても効率的な予防対策になる。その蚊帳の繊維には特殊な薬剤が染み込ませてあるためそれに触れた蚊を退治することができる。

しかし、アフリカの現地では、マラリアの原因が蚊であることをまだ知らない人たちがたくさんいる。蚊が多く発生するのは、雨の季節。だから、雨がたくさん降ったらマラリアになると信じていたり、その季節には植物が盛んに生い茂ることから、パパイヤをたくさん食べたらマラリアになると信じている人たちもまだたくさんいる。そうした人たちにどうやって蚊帳を使ってもらうか。

 水野さんは横になっていた40日間にいろんなことを考えた。頭に浮かんできたのは、セネガルの病院での一コマ。1歳半の子どもをマラリアで亡くした母親が、悲しみにうちひしがれている姿。そうした現状をなんとかしたいと考え始めた。

そしていまは、マラリア・ノーモアという世界的なNPO組織の日本代表として忙しく活躍されている。彼がアフリカで知り、学んだモットーが「焦らず、諦めず、放っておかない」という考え。その精神で、水野さんは今日も頑張っている。


番組中で流したのは、CCRの「雨を見たかい」。