2009年3月13日

Avilaへ

マドリッド駅から鉄道で城壁の街、アヴィラへ行く。世界遺産の街である。



スペインの古い町はたいていどこでもそうだが、宗教的な色合いが今も強く残っている。こちらで宗教(キリスト教)が残したものは、建築と絵画と音楽と文学である。日本語でいうところのしつけを教えるのも宗教で、整備された法ができる前にその役割を果たしたのも宗教である。

宗教に必要とされるものは型だ。型は権威となり、防具となる。強く信じた人は疑う心を失い、作られた型に疑問を持つことはなくなるのだろう。これが宗教の仕組みである。

そのための演出が建築、音楽、絵画などである。Avilaのカテドラルで、司教たちの法衣が大切そうにガラスのケースで展示されていたのを観た時に、そんな考えが頭に浮かんだ。

豪華な法衣に何の意味があるのか。妙ちくりんな先の尖った帽子に何の意味があるのか。意味などない。あるのは型だけ。それらの衣装を作るのに、一体どれだけの多くの人の労働と金が使われたのだろう。