宮内庁御用達制度の前身は、
1935年から54年の間に許可された御用達は83社。現在、
よく知られたところでは、醤油のキッコーマン、
上海には、米ハーバード大学の上海校がある。そこへの出張中、打合せの入っていない時間を見つけて外灘(ワイタン)地区から人民公園あたりを歩く。
僕は外国ではどこでも時間がある限り歩く、歩く。そうした時の気分はNHKの「世界ふれあい街歩き」なのだが、どうもここではそうもいかない。なんせ埃がすごいのである。歩いていると目と喉が痛くなるくらい。
外灘地域はどこもかしこも工事中。上海万博に向けての整備なのだろうが、もう少し計画的に段階的にやればいいのにと思う。これも発展過程の避けられない一風景か。
今週の「顧客関係性マネジメント論」(寄附講座)は、日本IBM執行役員の田崎さんにお越しいただき、「ibm.comのセールスイノベーションの実践」のタイトルで講演してもらった。
電話によるセールスセンターと対面営業を顧客視点でシームレスにつなぎ、ビジネスチャンスの発掘と最適な提案を実現していく同社の試みは10年以上前から始まり大きな成果を上げている。そして、今ではテレセールスが同社の売上の10%以上を占めるに至っているという。
組織営業の重要さはどこの企業も理解はしているが、その実現に骨を折っている。単なる理念だけでなく、トップ・マネジメントのリーダーシップから始まり、社内の制度、システム、人的資源の活用等が有機的につながり、補完し合って初めて継続的なチーム営業の仕組みが組織内に埋め込まれる。その成功モデルのひとつをクラス内で詳細に披露してもらった。
それにしても印象的だった話のひとつは、かつての汎用コンピュータ全盛の時代は、米国の本社から日本に割り当てられる限られた新型機の台数を巡って、購入希望企業がくじ引きをしていたという事実。これを「いい時代」と振り返るか、企業の危機への入り口だったと考えるかである。
知人が本を送ってくれた。『技術で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』の書名が示すとおり、日本は技術力には今だ優れているのに世界的なシェアを獲得するような製品を育てられないのはなぜか、という多くの人が疑問に感じていることが分かりやすく整理されている。
著者はこの本の中で、日本企業は研究開発戦略、知財戦略、事業戦略の3点を一体的に実施することが重要だと指摘している。
世界を席巻したiPodと製品の技術面では優位と言われながら市場で負けたウォークマンの対比は、ビジネススクールでは古典的ともいえるケースになっているが、そうした例は近年枚挙にいとまがない。でもこうしたケースは、日本企業に限った話ではない。先日、韓国の現代自動車が日本市場から撤退することを決定したとのニュースを目にした。いまでは世界第5位の自動車メーカーが、日本市場では手も足も出なかったのはなぜか。
製造されたクルマの性能や品質が劣っているわけではないことは、JDパワーズの調査レポートなどが証明している。問題はデザインか、価格か、ディーラーサポートか。理由はそれぞれ挙げることができるが、一言で言えば「どうも好かない」という消極的な日本人消費者の気持ちが最大の理由ではないかという気がする。
モノが売れるのにはワケがあるようで、ないような。簡単にそのワケが分かれば、どの企業もが大成功する。しかし、それはあり得ない。そこが顧客行動の厄介なところ。マーケティングが科学とアートを行ったり来たりしている所以である。